10億円長者が一気に9人誕生か-。サッカーくじを運営する日本スポーツ振興センターは24日、第662回のビッグで、日本の宝くじ史上最高額となる10億2円の1等が9口出たと発表した。通常、1等の金額は6億円が上限だが、繰越金が70億円を超えたことから、安定したスポーツ支援を目的にした売り上げ増を狙い、今回に限って1等10億2円に大幅アップ。23、24日のJリーグの試合結果を対象に売り出すことを、今月6日に発表していた。次回への繰越金は14億7345万3045円。

 1等10億2円が決まって以降、ビッグの売り上げは急上昇した。俳優堤真一(49)女優真木よう子(31)を起用し、テレビCMも大展開した。売上金額は87億5785万9800円で、これまでの最高だった第278回(07年5月)の61億2033万1500円を大幅に上回った。

 ビッグは1口300円で、J1とJ2の計14試合の結果が対象になるが、購入時にコンピューターが無作為に予想した結果がくじに印字される。完全に「運任せ」だが、14試合の結果がすべて的中した1等が、9口も出ていた。

 13年度の事業計画では1等が6億円超の開催を2回予定しており、3月末までにもう1回、1等当せん金を大幅にアップして販売する可能性があるという。

 今回の当せん結果を伝えるファクスは、この日夕方に全国の販売所に届いた。東京・銀座のある販売所の女性店員は「さっきファクスが来て、9口と見てびっくり」と振り返った。今日25日以降には、9口がどの販売所で売られたか、発表される。「この店から出ていれば、必ず告知を店頭に出します」と力を込めた。

 年末ジャンボ宝くじが販売されている西銀座チャンスセンターでは、この日も数百人が列をつくり、1等と前後賞を合わせた当せん金7億円の夢を追っていた。60歳男性は、今回のビッグ1等について「そんなに当たるのは珍しいんでしょ?

 10億ももらったって、使い道がない」とこぼしていた。【柴田寛人】

 ◆過去の宝くじ最高額

 今年5月17日抽せんの宝くじ「ロト7(セブン)」で出た1等8億円の大当たりが最高。同日のロト7では3口の当せんくじがあった。うち2口が香川県観音寺市の同じ売り場で販売されていた。2口を1人で購入していれば、一気に16億円を得たことになる。世界最高額は、昨年3月の米国の宝くじ「メガ・ミリオンズ」で出た6億4000万ドル(当時のレートで約531億円)。米国のイリノイ、カンザス、メリーランドの各州で購入した3人が当せんし、賞金は分割された。