<高校サッカー:中津東2-1郡山>◇2回戦◇2日◇駒場

 中津東(大分)が、逆転で初のベスト16入りを決めた。1回戦で高校総体4強の青森山田を破って選手権初勝利。その勢いで歴史を更新した。

 前半9分に予選から通じて初の先制を許したが、同33分に追いつく。敵陣でFW山本主将が相手のパスミスをさらい、DF2人をかわして左からクロスを送る。これが同点のオウンゴールを誘った。後半5分には決勝点を奪った。MF奥が左サイドから大きく上げた浮き球にFW松浪が走り込む。助走を生かし、落下点に集まったDF2人とGKの上から頭でゴールへ押し込んだ。「相手がセンタリングに弱いと分かってたんで、準備して当てるだけでした」と練習通りの形。黒田官兵衛と縁ある学校が、奈良屈指の進学校・郡山のお株を奪う分析で勝利をつかんだ。

 望んでいた対決でもあった。松田雄一監督(46)と相手の浦野和久監督(46)は同じ68年生まれ。その縁で7年前から年1回、夏に練習試合で交流してきた。松田監督は「いつか選手権で試合できたら、と互いに頑張ってきたので。涙が出ました」。試合後は握手で健闘をたたえ合い、履正社(大阪)との3回戦を前に「うちにとって未知の世界ですが、郡山の思いも背負って挑みます」と約束した。【木下淳】