11日に発生した東北地方太平洋沖地震で、石狩管内南部などで震度4を観測した北海道も大きな影響を受けた。Jリーグが今週末の試合延期を決め、13日に札幌ドームで予定していたJ2札幌のホーム開幕戦(対北九州)も延期となり、各スポーツ大会も影響を受けた。最大波3・5メートルのえりも町など各地で津波を観測し、道内各地でも甚大な被害をもたらした。

 J2札幌も、11日に起きた大地震の影響を受けることになった。2日後に迫っていた札幌ドームでの今季ホーム開幕戦が延期となった。午後5時半のJリーグ中止の発表を受けると、事務所内で緊急会議が開かれ、今後の対策が話し合われた。

 矢萩竹美社長(61)が「落ち着いて対応するように」と社員に伝えるなど、クラブ事務所内は緊張感に包まれた。打ち合わせで事務所に集まっていた臨時スタッフにも事情が説明された。11日現在で約1万6000枚の前売りチケットが販売されていたが、今後の取り扱いなどは代替試合が決定次第、後日発表される。クラブ関係者も「この状況だけに(試合開催の)それどころではない」と神妙な顔で話した。

 地震発生後は、電話がつながりにくくなり選手の安否確認も一時、滞った。MF芳賀の実家が宮城県内にあり心配されたが、関係者の話では家族の安否は確認されたという。だが義兄の実家が倒壊し、夫人の実家が浸水しており、芳賀本人がショックを受けているという。

 この日、FW中山、MF河合、ブルーノの3選手が道内テレビ4局に出演し、ホーム開幕戦PRも地震情報放送のため急きょ中止。代替試合は未定で今後、会場や日時を含め詰め直す。地震後、札幌ドームには異常が確認されなかったため今日12日の練習は予定通り行う。試合予定だった13日は未定となっている。

 この日は札幌ドームで紅白戦を行うなど初勝利への準備をすすめていたが、ホーム開幕は19日の千葉戦(午後1時開始)になる見込み。矢萩社長は「試合運営などを含めた対応はこれから考えていきたい」と話した。【永野高輔】