「ミスターメイ」襲名だ!?

 横浜のU-22(22歳以下)日本代表候補のFW小野裕二(18)は13日、翌日に控えたアウェー広島戦に向けて、横浜市内のクラブハウスで最終調整。開幕から5戦無敗同士の対決に2試合ぶりの先発が確実で、「本当に4月は花粉症に悩まされた。もう大丈夫なんで、今度も点を取って勝ちたいですね」と鼻が通ったスッキリ声で話した。

 4月に花粉症に悩み、5月(May)に成績を上げてくるスポーツ選手…。思い出すのは「ミスターメイ」と呼ばれたプロ野球ソフトバンクの秋山幸二監督。現役時代は、4月は花粉症の影響で不調も、おさまる5月に入ると打ち出すことで有名だった。

 4月の小野は、同じく花粉症に悩む記者に「注射って効きましたか」など、逆質問する日々だった。木村監督からも「鼻をたらしながらシュートしてる」と冗談を飛ばされていた。試合でも無得点に終わった。

 そして5月。前節ホーム福岡戦で爆発した。後半途中出場で今季初得点となる同点弾に、逆転弾の2発。鼻詰まり解消とともに、ゴールも“スッキリ”奪った。次節は昨年、ユース所属でJデビューを飾った思い出の広島。これまでの公式戦7得点はすべてホームで、「初アウェーゴールですね」と目を輝かせた。

 12日には、6月に12年ロンドン五輪アジア2次予選へ向けたU-22日本代表候補に選出された。16日からは豊田市で短期合宿が始まる。チームも引き分け以上で、06年第4節以来1880日ぶりの首位の可能性がある。「良い流れでいきたいですね」。スッキリと勝つ。【阿部健吾】