<J1:G大阪2-1新潟>◇第12節◇21日◇万博

 勢いづいて、さあ「大阪ダービー」や~。G大阪が新潟を下し、リーグ戦3連勝とした。1-1の後半43分、MF宇佐美貴史(19)のミドルシュートを相手GKが弾いたところに、FWアドリアーノが決めて勝ち越した。不振が続いた宇佐美は完全復調した。24日はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)のC大阪戦。会場は今季6戦全勝のホーム万博だ。

 小さく、そして重い一振りだった。ドロームードを振り払うように、MF宇佐美が右足に力を込めた。ゴール中央20メートル、迷いはない。パスを受け、瞬時に蹴られたボールは鋭いライナーで強烈に伸びた。新潟GK東口は弾くのが精いっぱい。アドリアーノがこぼれ球をゴールに突き刺した時、時計は残り2分だった。

 宇佐美

 メッチャ疲れたけど、すごくいい疲れ方。相手にやられた疲れじゃなく、自分で仕掛けた中での疲れ。今日は楽しめた。今年に入ってから最初の方は楽しめてなかったから。

 充実感を漂わせるほど、キレていた。DF武井との連係で、左サイドから積極的にドリブルで仕掛けた。前半10分には1人かわし、中央へ切れ込んで振り幅の小さいシュート。「プロに入って、心の底から仕掛けにこだわっている。周りの声が聞こえないくらい、仕掛けに集中してる」。後半25分には左サイドを突破し、ゴール前のアドリアーノへ好クロスを放った。

 リーグ戦3連勝の勢いで、24日の「決戦」へ臨める。ACLで実現するC大阪との大阪ダービー。平日のナイター開催にもかかわらず、営業担当者が「1万7000人は入る」と見込むほど、ムードが高まっていく。

 中2日での戦いも顧みず、西野監督は新潟戦をベスト布陣の必勝態勢で挑んだ。結果、DF山口が左太もも痛、MF二川は額を割って退場し、「かなりの代償を負ったゲーム」と誤算もある。ただ、ダービーの舞台となる万博では、これで今季6戦全勝と神話を継続した。何よりも宇佐美の完全復活が、データ以上の頼もしさになる。【近間康隆】