Jリーガーとプロ野球選手がタッグを組み、東日本大震災の被災地へ「プレゼント」を計画している。昨年10月、日本代表に初選出された仙台MF関口訓充(25)と、被災地の茨城・鉾田市出身の巨人東野峻投手(24)。東野が巨人選手が使用したグラブなどの野球道具を集め、それを関口が避難所へ運ぶプランだ。ライバル関係にあるサッカー界と野球界の若手が手を取り合い、被災地支援を考えている。

 現在リーグ2位と躍進中の仙台。4勝3分けで、Jクラブ38チームで唯一負けなしでもある。全試合スタメン出場で好調を支えるMF関口。サッカーと同時に、避難所の子どもたちへ何かできないかと常に考えてきた。

 巨人東野とは2月の宮崎キャンプ中に食事をするなど、親交があった。今月17、18日に東野が楽天との交流戦で仙台を訪れた際も会い、アイデアが生まれた。東野が巨人各選手の使用したグラブなど、野球道具を集め、それを避難所の子どもたちに贈る計画だ。

 関口自身これまで数度、避難所を訪れた。そこにはサッカーだけでなく、野球が好きな子どもたちも大勢いた。自分にはサッカーしかできない-。考えた末、東野とのタッグが実現した。

 「グラブには選手の名前が入っているみたい。巨人の選手が使ってたグラブなんて、みんなうれしいと思う」と関口。Jリーグやカップ戦の日程にもよるが、仙台に住む関口が集まった道具を自ら避難所に届ける考えでいる。

 関口がJリーグ再開前に作ったメッセージ入りスパイクも同様だ。左足に「一人じゃない

 信じよう

 希望の光を!」、右足に「共に歩み

 未来に向かって」と書かれている。先月23日の再開戦時は1足しか完成していなかったスパイクも、現在では5足になった。プロ選手はスパイクの革が少しでも伸びてしまうとプレーに支障が出るため、交換の時期が早い。使い終わったものを子どもたちにプレゼントするか、チャリティーオークションに出品し、義援金とするか頭を悩ませている。

 被災者のため上位に居続けること、支援活動の手を緩めないことの2点を胸にプレーを続ける。【三須一紀】