<J1:山形0-0浦和>◇第3節◇6日◇NDスタ

 山形はよく攻めた。スコアレスドローで4戦ぶりの勝ち点は挙げたが、白星は遠かった。

 立ち上がりから浦和を攻め立てた。前半2分、左サイドをMF伊東俊(23)がドリブル突破し、中央へクロス。MF広瀬智靖(21)が放ったシュートをGK加藤がはじき、FW大久保哲哉(31)が詰めたが、ゴールは奪えなかった。

 同5分には、3月5日の開幕戦(対川崎F)以来の先発出場となったDF石川竜也(31)が、約25メートルのFKを直接狙う。ボールは緩やかなカーブを描きながらゴールに向かったが、わずかに高く上のネットに乗っかった。後半12分には、今季初先発のMF下村が左足で鋭いミドルシュートを放ったが、加藤に阻まれた。

 同じく今季初先発のGK清水も奮闘。ゴールマウスを守り抜いた。後半4分、FW高崎のシュートは、DF石井の股下から飛んできた。難しいコースのボールを慌てず、正面でセーブ。最大の持ち味である大声でのコーチングも、歓声にかき消されることなく、記者席まで届くほど。昨季まで3年間、守護神として君臨した存在感を発揮した。

 仲間のために奮闘した。同30分、広瀬が右足を痛め、MF宮崎が入った。ピッチ外で応急処置を施し、1度は試合へ戻ろうとしたが再び倒れ込み、悔しい交代となった。同35分には、大久保がDFスピラノビッチと接触し、頭を強打。いったん治療で外れ、包帯を巻いて気合の強行出場。果敢にヘディングで競り合った。後半早々には、石川が前半に負傷した左手を包帯で覆った。2人の奮起も得点には届かなかった。【湯浅知彦】