夏男古田弾で昇格ノルマの5連勝をつかみ取る。J2札幌は24日、札幌・宮の沢で紅白戦を行った。前節京都戦まで2試合連続先発落ちしていたMF古田寛幸(20)が主力組の右MFでプレー。明日26日の次節岡山戦(カンスタ)は3試合ぶりの先発出場が濃厚だ。7、8月で6点中4点を荒稼ぎしている“さまぁ~ず古田”の1発で、昇格した07年以来4年ぶり5連勝を呼び込む。

 11年夏は古田が締めくくる。この日の紅白戦は積極的にドリブルで仕掛けゴールに迫った。「このままじゃいけない。チャンスをもぎ取っていく気持ちを出していかないと」。ここまで先発した14試合は無得点。次節岡山戦は背水の覚悟で臨む。

 夏場にはめっぽう強い。今季初ゴールとなった17日千葉戦を含めプロでの6ゴール中4点が7、8月に決めている。09年にデビューしたのも8月だった。暑ければ暑いほど本領を発揮する20歳は「貪欲に自分の特長であるドリブルを出していきたい」と意気込んだ。

 最近2試合、先発から外した石崎信弘監督(53)も「そろそろ頑張ってもらわないと」と奮起に期待した。今季前半戦はチームの中心としてゲームの組み立ても課されたが、なかなか応えられなかった。途中出場した21日の前節京都戦では相手の10代3トップ伊藤、久保、宮吉のプレーに刺激を受けた。「あのがむしゃらさ、貪欲さ。自分も相手が嫌がることをしないと」。ブレークした昨年のようにいま1度、10代の輝きを取り戻す。

 昇格イヤーには欠かせない5連勝もかかっている。「落ち込んでいる暇はない。チームの勢いに自分も乗っていかないと」。過去昇格を決めた97、00、07年は必ず5試合以上の大型連勝を記録している。岡山戦に勝てば“ノルマ”をクリア。上位の結果次第では昇格圏3位に食い込む可能性もあるだけに、ここで1発決めて昇格への勢いを加速させたいところだ。

 京都戦で初得点を挙げた好調のFWジオゴとの関係も意識している。「中央にジオゴというターゲットができた。うまく収めてくれるし、自分もサイドで起点がつくれれば、相手もやりづらくなる」。右45度から切り込む“古田街道”を突き進み、得意の左足でクラブ初となる8月全勝を決めにいく。【永野高輔】