レモスがカズダンスデビューを狙う!?

 左足首捻挫で別メニュー調整が続いていたJ2札幌のFWレモス(21)が28日、札幌ドームサブグラウンドでの全体練習に完全合流した。負傷のため加入から47日と日数が経過してしまったが、戦術練習では主力組トップ下に入ってプレー。10月2日の次節横浜あFC戦(東京・国立競技場)でのデビューが見えてきた。得点した際には、カズばりのサンバダンスを披露するプランも明かした。

 8月12日に札幌加入が決まってから47日。未知の才能レモスが、ついにベールを脱いだ。8人対6人の戦術練習では、早くも主力組トップ下でプレー。最初はなかなかボールを受けられずに苦戦していたが、右サイドで浮き球のパスを受けると、右足アウトサイドで跳びはねながらトラップ。ゴールライン際まで突破し、鋭いクロスを上げた。

 戦術練習初日とあり、戸惑いながらの参加ではあった。それでもトリッキーなプレーに石崎監督は「よくは分からんが、これから野性味ある動きが出てくるかもしれんな」と振り返った。レモス自身も加入から約7週間経過しての全体メニュー参加。負傷で出遅れた分を取り戻すため必死だ。「足の状態はいい。早く試合に出たい。チームに貢献したい気持ちが強い」と、次節横浜FC戦でのデビューを見据えた。

 既にゴール後のパフォーマンスも完成した。25日の札幌・宮の沢でのファン感謝イベントでは、FWジオゴの伴奏付きでサンバダンスを披露した。「得点したらコーナーフラッグのところでサンバを踊る。これで決まり」。くしくも対戦相手の横浜FCカズと酷似する演出だが「先に決めて踊りたいね」と、日本のキングのお株を奪う大胆不敵な発言だ。横浜FCには“魔術師”フランサもいるが「カズやフランサ。経験豊富な選手が相手ならモチベーションも上がる。注目される中でアピールしたい」と貪欲。スター選手の技を、持ち前のスピードで切り裂く。

 21歳と若いが、自分の立ち位置を冷静に把握している。「試合には出たいが、監督が定めるチームのルールを冷静に聞いて頭に入れることが大事。その中で必要とされた時に自分の良さを発揮できれば」。好調の札幌が“レモススパイス”も付け加え、さらに攻撃の幅を広げていく。【永野高輔】