<練習試合:仙台2-0横浜FC>◇11日◇西階陸上競技場

 12年シーズンの光明が見えた。仙台がJ2横浜FCを迎えた今季初実戦で快勝した。新加入のFWウイルソン(26)、MFデイビッド・サッコーニ(24)、DF上本大海(29)がそれぞれ持ち味を発揮。上々の滑り出しを飾り、残り1カ月を切ったJ開幕まで突っ走る。

 仙台にとって未知数だった男たちに、メドが立った。まずは得点力不足解消の切り札として期待されるウイルソンとサッコーニの両助っ人。得点こそ奪えなかったが、随所でゴールに迫って相手の脅威となった。コンビネーションも上々で手倉森監督は「まめにポジションをチェンジして、ボールの収まりどころをつくってくれている。ウチに合いそうな選手」と相性の良さを感じ取った様子。サッコーニも「監督の言うこと、チームの戦術を守りきることができた。初試合としては良かったと思う」と満足げに振り返った。

 センターバックのレギュラーとして期待される上本は2本目の24分から出場。「良くなかったですね。リズムが出ていない」と守備陣全体を含めた自己採点は辛めだったが、指揮官のとらえ方は違う。「それはあいつの描くサッカーがよっぽど高いレベルという証拠。ゲームでもいいところを見ているし、さすがに攻撃力のあるチームでやってきた選手だと思った」とうなった。さらに1本目には、DF鎌田を昨季とは違う右サイド側のセンターバックでテスト。磐田へ移籍した韓国代表DFチョの穴埋めへ道筋は立った。

 初実戦を終えた手倉森監督は「選手たちには満足してると話した。やろうとしてるコンセプトを攻守両面で意識高くやってくれた。80点かな」と満足げ。派手な活躍はなくとも、3人が見せた可能性にシーズンへの期待は膨らむばかりだ。【亀山泰宏】