<J1:横浜2-1札幌>◇第10節◇6日◇日産ス

 札幌は横浜に敗れ連勝ならず-。0-1の前半27分にMF古田寛幸(20)が同点弾を決めるも、後半33分に失点し、勝ち点を逃した。シュート数3本は今季リーグ戦ワーストタイ。対横浜戦はリーグ9戦未勝利、6連敗となった。3日の前節C大阪戦で初勝利も、鬼門でつまずいた。12日のホーム東京戦(札幌ドーム)で出直しを図る。

 横浜の壁は厚かった。後半ロスタイム、MF砂川の右クロスに走り込んだDF櫛引が空振り。98年のリーグ初対戦から、これで対横浜9戦未勝利(1分け8敗)となった。C大阪戦勝利でつかんだ勢いは、しぼんでしまった。古巣横浜討ちに燃えていたMF河合は「ここで勝つために去年1年頑張ってきたのに。来るだけじゃ意味がない」と厳しく受け止めた。

 流れを呼び込めない。今季追いついてから突き放されたのは4月28日の大宮戦以来2度目。石崎監督は同点の後半25分にベテランMF砂川を投入し流れを変えにいった。その砂川は同27分に、MF高木純のスルーパスに反応しGKと1対1のシーンをつくるも、GKの好守に阻まれ無得点。逆に同33分、途中出場の横浜MF谷口に決勝点を許した。砂川は「向こうは途中から出た選手が決めた。ビッグチャンスがあったのに。自分が決めていたら勝てたかもしれない試合だった」と反省した。

 J1最速の今季国内公式戦10敗目。だが、すべての試合で圧倒されているわけではない。1点差惜敗が8度。ぎりぎりのところで勝ち点を取りこぼしてきた。石崎監督は「相手よりチャンスは限られている。決めるところで決めないと結果は出ない」と言う。前半ロスタイムに追いついた大宮戦に続き今回も追いつく力は証明した。交代選手を中心とした勝負どころの形さえできれば、負け試合を分けに、分け試合を勝ちにすることは可能だ。

 直前調整となった前日5日午前11時の札幌の気温が16・6度。この日、試合会場となった日産スタジアムの公式発表は27・9度だった。MF古田は「最後は全然、走りが足りなかった。疲れたときの戦い方も身につけないと」と課題を挙げた。C大阪戦に勝ち、逃げ切る力はついた。大型連休が終わり、次節の東京戦まで約1週間あく。今度は畳みかける術を磨き上げ、出直し1勝を狙う。【永野高輔】