<J1:清水1-1C大阪>◇第11節◇12日◇アウスタ

 1点のリードを許したまま、後半ロスタイムの5分が経過した。今季、ホーム初黒星が頭をよぎったが、奇跡が起きた。MF河井陽介(22)のクロスから混戦に。全員で必死にゴール前まで運ぶと、最後はアレックス(28)がねじ込んだ。土壇場で同点に追いついた喜びの中、試合が終わった。アフシン・ゴトビ監督(48)は「勝ち点1を取れたことはうれしいが、ホームで2を失ったことに満足はしていない」。

 序盤から首位仙台に勝ち点2差で2位に付ける、好調エスパルスの姿はなかった。ボールは保持するものの、前線に効果的なパスが入らない。簡単なパスミスも目立ち、前半15分には先制点を許した。DF岩下は「球際も戦えない。ボールも人も動かない。やるべき事が1つもできていない。今年一番ダメな試合だった」。MF小林も「負けなかったことだけ」と、厳しい表情で振り返った。

 確かに負けてはいない。シーズン34試合を考えれば当然、この日のような苦しい展開を強いられることもある。FWアレックスは「ホームでやれば勝てると思っていた自分たちの良い目覚ましになった」と、言った。最低限の勝ち点1をつかんで学んだ反省点を、次節のアウェー浦和戦以降で生かしていけばいい。【前田和哉】