石さんが宮沢の“4段活用”で今季初連勝を狙う。札幌は14日、札幌・宮の沢で戦術練習を行った。石崎信弘監督(54)はMF宮沢裕樹(23)を3バックのセンターでテストした。宮沢はFW、トップ下、ボランチもこなす万能選手。現在、MF河合竜二(34)、DFノース(30)ら守備の軸となる選手が不在だけに、多才な背番10をDFとしても想定し、18日神戸戦(札幌厚別)勝利につなげる。

 いいものはどんどん取り込んでいく。この日の戦術練習で、指揮官はDF奈良、金と宮沢の3バックをチェックした。「宮沢は何でもできるからね。慣れている感じがしたよ。いつそういう状況がでてくるか分からない。しっかり準備はしておかないと」。宮沢も金、奈良に的確な指示を出しながら、機を見てインターセプトするなど、本職のDFのように、そつなくこなした。

 最初は“奇策”だった。11日の前節仙台戦で、0-1の後半24分に、石崎監督は4バックから3バックに変更。攻めの人数を増やし点を取りに行くため、ボランチの宮沢を初めてDFの真ん中に置いた。「正直、難しくて緊張した」。公式戦初の試みも、大きく乱れることなく無失点に抑え、逆転勝利を呼んだ。現在、ボランチの河合、センターバックのノースらDFの核となる選手が負傷離脱中だけに今後、精度を高めれば窮地を乗り切るカギになりそうだ。

 「ボランチからFWとか、その逆もあった。頭の切り替えは問題ない」と言う。08年に札幌入りした際はFW、09年からトップ下やボランチにも挑戦して今度はDFだ。中盤でのパサーとしての能力は、DFラインからビルドアップに、FWとしての高さや体の強さは、ゴール前での空中戦に生きる。「いろんなところをやれるのが僕の特長だから」。4ポジションをこなす厳しい要求にも応えていく覚悟はできている。

 韓国人DF金への指示についても「日本語とジェスチャーで何とかなる」と前向き。複数こなせる選手がいれば、交代枠も節約できる。いざというときはFWにもトップ下にもボランチにもなれる“変幻DF”を生かして、残留への可能性を少しでもふくらませていく。【永野高輔】