<天皇杯:山形3-0tonan前橋>◇8日◇2回戦◇NDスタ

 J2山形は、この日26歳の誕生日を迎えたFW林陵平のPK弾を皮切りに3点を奪って快勝した。3回戦は10月10日に行われ、C大阪と対戦する。

 絶対に負けられない戦いは、26歳になった林のバースデーゴールを引き金に3発で快勝した。後半2分、FW中島裕希(28)がPKを獲得すると「蹴らせてくれ」と“肉食系男子”のごとく主張。キッカーに選ばれると一変して“草食系”。助走から左足でチョコンと蹴り出すと、ふわりと浮かんだボールがゆっくりとネットに吸い込まれた。「あれは(元フランス代表MF)ジダンがイタリア戦で(イタリア代表GK)ブフォンに蹴ったシュートのまね」。自らを「サッカーマニア」と称す男は、脳裏に焼きついていた世界最高峰の技をコピー。順応力の高さを示した。自身初の誕生日弾には「うれしいですね」と素直に喜んだ。

 そしてわずか1分後、今度はDF西河がみせた。MFブランキーニョの左クロスを頭でとらえて2点目。試合後、林が「俺のためでしょ?」と詰め寄ると「いや、カズさんのため(笑い)」と抜群の切り返し。同じく誕生日を迎えたDF前田にささげる?

 1発となった。

 後半ロスタイムには林のパスを受けた中島が右足でゴール。「いい位置にいてくれたのでパスを出した」と林。PKを譲ってもらった分はきっちり返した形となった。「90分フル出場したし、ご褒美で今日はクレープが食べたい」。最後は、ロンドン五輪柔道女子57キロ級の金メダリスト・松本薫(24)ばりの大ボケをかまし、スタジアムを後にした。【湯浅知彦】