“崖っぷちに強い男”が逆襲への突破口を切り開く。札幌は26日、札幌ドームサブグラウンドで戦術練習を行い、MF古田寛幸(21)が主力組の左MFに入った。前節大宮戦は先発落ちも、29日の川崎F戦(等々力)は2戦ぶりの先発復帰が濃厚。昨季は昇格のかかった最終東京戦で全得点を演出。プレッシャー好きの背番号15が、降格がかかった土俵際の一番で勝利を呼び込む。

 追い詰められても、古田は動じない。この日は左サイドで攻守に安定したプレーを披露。練習後には石崎監督から直々にプレスのかけ方についてアドバイスを受けるなど、川崎F戦に向け準備を整えた。「目の前のチャンスを結果につなげるだけ」。5月6日横浜戦以来4カ月半ぶりのゴールで、危機から脱出させる。

 土壇場になるほど力を発揮する。昨季は鳥栖、徳島との昇格争いが佳境だった11月26日湘南戦で決勝弾。12月3日の最終東京戦は内村の先制点をアシスト、決勝点の起点になった。ラスト2戦4得点中、3ゴールに絡む活躍で昇格に貢献した。「追い込まれてはいるが、この経験は糧になる。何事も無駄はない」。プラス思考の21歳が、得意の左足で9月終戦を阻止する。【永野高輔】