<J1:磐田1-1仙台>◇第30節◇27日◇ヤマハ
やっぱり決めた。仙台FW赤嶺真吾(28)が、磐田戦通算16試合で12点目のゴールを奪った。後半32分、MF菅井直樹(28)がGKと競り合って流れたボールを冷静に流し込む先制弾。チームは追いつかれて引き分けたが“ジュビロキラー”の健在ぶりを、あらためて印象づけた。残り4試合、2戦連発と乗ってきたエースがベガルタを逆転優勝へとけん引する。
キラーの称号はだてじゃない。後半32分、菅井が左膝を痛めながらつないだ執念のボールが、赤嶺の足元に転がった。「前に(チョ)ビョングクがいて、後ろからディフェンスが来ていた。こぼれてくる予想でやって、結果論ですけど、良かった」。点取り屋の嗅覚が、完璧なポジショニングを生んでいた。肝心の磐田戦の相性については「今日は取れたけど、(4月の)ホームでは取れなかった。毎試合取れればいいとは思いますが…」。引き分けに終わったからか歯切れも悪かったが、ここまでかもにされては相手もたまらない。
得点以外でも、前線でボールを追い回して奮闘。手倉森監督が「守備で頑張ってくれた。ウイルソンを代えたのは、運動量で赤嶺の方が足が止まっていなかったから」とたたえるほど、働きは際立った。鹿児島実高時代の監督だった松沢隆司氏(72)が当時を振り返って、こう話したことがある。「1トップにした途端、持ち味を発揮するようになった」。2トップを組むFWがケガをしたための緊急措置がはまって素質が開花。チームの一番前に立ち、1人泥くさく体を張り、しつこくDFに圧力をかける。赤嶺にとって、それがずっと当たり前だった。
これでアウェーゴールはチームトップの7点目。難しい敵地での試合で、本当に頼りになる。「自分が2年前に来た時は残留争いをしていた。今、優勝争いをしているのは不思議な気持ちもある。1試合1試合、楽しみながらやれれば」。結果を出している男は、コメントにも余裕が見え隠れした。【亀山泰宏】



