まだベテランじゃない!
今季限りでJ2山形を契約満了となったFW北村知隆(30)が6日、トライアウト(11日、フクアリ)からの再起を誓った。北村は昨年5月にグロインペイン症候群を発症。今季もケガに泣かされ、出場わずか3試合に終わった。08年のJ1昇格に大きく貢献したアタッカーが、現役続行に強い意欲を見せた。
持っている力を証明する。山形の背番号11は、静かに闘志を燃やした。「野球では30歳でも若手に近い扱いをされるのに、サッカーだとベテランと言われる。でも、自分はそういう選手じゃない」。豊富な運動量を武器に、ドリブルで相手をかき回すスタイルは健在。幾度となくチームを救うゴールを決めてきた勝負強さにも衰えはない。この日も天童市内のグラウンドで練習する若手を横目に、黙々と戦闘態勢を整えた。
股関節を襲った激痛が、頭から離れなかった。今季は「もう1回やったら終わりだと思って、かばいながらやっていた」。痛み止めの注射を打ちながらプレーしたが、7月に右ももを肉離れ。追い打ちをかけるように、左足も悲鳴を上げた。度重なる離脱に「また痛くなったらやめればいい」と覚悟を決めた。
復帰した9月以降は、全力でピッチを駆け回ることで痛みは消えていた。しかし、9月23日の草津戦を最後にベンチ入りの機会もなし。先月中旬には契約満了を告げられ「もっと早く開き直っていればよかった」。故障に泣かされた2シーズンは、出場わずか8試合。他クラブからのオファーはなく、トライアウト挑戦を決意した。「しばらく表舞台に立っていない。まだできるというプレーを見せたい」。悔いが残るまま、スパイクを脱ぐことはできない。【鹿野雄太】
◆北村知隆(きたむら・ともたか)1982年(昭57)5月27日、三重県四日市市生まれ。四日市中央工から01年に横浜FCに入団。07年、山形へ移籍した。J通算295試合35得点(うちJ2通算228試合28得点)。利き足は右。170センチ、61キロ。血液型A。



