パウロンにスロー調整指南-。J2札幌は29日、サッポロ・イーワンスタジアムなどで練習を行った。フィジカルメニュー中心の練習に臨んだDFパウロン(23)は、古辺考功コーチ(42)の課す過酷なトレーニングにバテ気味。それでも同コーチは、開幕に合わせ仕上げるブラジル流の調整法を考慮し、道内調整中の過度な要求を封印する方針を打ち出した。

 助っ人DFが“電池切れ”の危機に陥った。この日はドリブルやステップワークなど、筋肉に負荷をかける練習後に5対5のミニゲーム。真面目なパウロンは、序盤でスタミナを使い切り、ゲームでは、FW上原に一瞬で振り切られるなど、精彩を欠いた。「まだ序盤だし、疲れが見えて普通。慣れないが、状態は上がっているんだよ」。平静を装ったが、流れ出る汗と呼吸の激しさが、練習のハードさを物語っていた。

 そんな状況も同コーチはどこ吹く風。柏コーチ時代は同じブラジル人のFWフランサ、MFレアンドロらの調整にも関わってきただけに、不安はない。フィジカルトレよりボールを使った練習を重視し、合宿も短期で仕上げるブラジル事情を把握している。それだけに「パウロンは持久系は苦手だがパワーと速さはある。無理せず実戦が入る熊本から上げてくれればいい」と、マイペース調整を勧めた。

 昨年7月に恥骨を痛め約5カ月実戦から離れている。本格的なトレーニングが12月からとスタートが遅いことも考慮した。「オレもチームも開幕の3月3日に100%仕上げる。これが大事」。ブラジル流を尊重し、助っ人の能力を最大限に引き出す。【永野高輔】