九州でも雪の歓迎を受けた。J2山形は8日、長崎・雲仙での第2次キャンプに突入。移動直後にもかかわらず、気温2度の中で約2時間の練習を行った。急性虫垂炎で離脱していたFW林陵平(26)も今キャンプから合流。26選手がそろってスタートを切った。

 6年連続となった雲仙キャンプは、山形並みの寒さの中で始まった。この日は朝から雪が降り、気温も氷点下を記録。奥野僚右監督は「(第1次キャンプを行った千葉の)館山のほうが暖かかった」と鼻を真っ赤にしていた。

 地元も驚くほどの気候だ。2月は気温15度前後まで上昇することもあるというが、練習中の気温は2度。海からの風も吹きつけた。雲仙市役所の三宅勝也さんも「雪は年に2、3回降るかどうか。今年はもう降らないかと思った」と話す。

 極寒の中でも熱く動き回ったのが、この日合流した林だ。1月20日に急性虫垂炎で緊急入院。「熱が40度まで上がって、死ぬかと思った」と、すぐに人生初という手術を受けた。退院1週間後から山形市内で走り込みを中心に自主トレ。館山から合流できたほど準備は万全で、第1次キャンプを終えた選手たちと同じフルメニューをこなした。久々の仲間との再会に「みんなに(肌の色が)白いと言われたけど、これからすぐ黒くなりますよ」と笑顔を見せた。

 林が調整遅れを感じさせない動きを見せ、奥野監督も「しっかり準備してきてくれた」と目を細めた。明日10日には今季初の対外試合(北九州戦)を迎える。J1復帰を目指すメンバーがようやくそろい、1カ月を切った開幕戦へ向かう。【鹿野雄太】