海外移籍断念-。スイス1部トゥーンFCのトライアルに参加していたコンサドーレ札幌MF古田寛幸(21)が契約に至らず、札幌に残留することが9日、濃厚となった。トゥーン側が公式サイトで発表した。1日から練習に参加したが、最終的にクラブと折り合いがつかなかった。コンディションを考慮して日程調整し、12日にも熊本で合宿中のチームに再合流する。

 夢の1歩はお預けとなった。トゥーンは公式サイト上で、能力の高さを認めながらも最終的に獲得には至らなかった経緯を説明。札幌の三上GMは「現在、詳しい情報を確認しているところ。代理人から連絡が入った時点で、クラブから公式に発表したい」と話した。札幌は1月15日に今季契約を発表しており、現状ではそのままチームに戻り、3月3日のJ2開幕戦を目指すことが濃厚となった。

 決して無駄な挑戦にはならない。1月上旬にはデンマーク1部ブロンビーのトライアルを検討も、直前で調整がつかずに断念した。それでも「J1でプレーした後は海外に挑みたい」と待ち続け、つかんだ今回のトライアルだった。契約には至らなかったが、世界の中での立ち位置を測るには貴重な経験。今後、Jでレベルアップして本当のチャンスをつかみにいく。

 休んでいる暇はない。既にチームは熊本合宿6日目を終了。昨季のチーム得点王といえども、指定席があるわけではない。残された時間で財前新監督に猛アピールし、定位置奪取を目指す。