鉄壁の守りで逃げ切るぞ!

 鹿島は7日、明日9日のホーム仙台戦に向けて紅白戦(30分×2)を行い、後半は元日本代表MF本田拓也(27)を中央に3ボランチを置く守備重視の布陣を敷いた。鳥栖との開幕戦では終盤に相手の猛攻を防ぎきれず失点し、1-1のドローに終わった。同じく運動量のある仙台対策として、ボール奪取能力に秀でる本田を守備固めで起用する可能性が高まった。

 本田がホーム開幕戦のジョーカーになる。リードする展開を想定した紅白戦の2本目にMF小笠原、柴崎と並んで3ボランチを形成。ドリブル突破を図るMF遠藤らをとらえ、ピンチの芽を摘んだ。仙台は、前線からボールを奪って反撃にかかる「ショートカウンター」が得意。その猛攻から逃げ切るための守備的布陣だ。「戦術面の具体的なことは言えないけど、勝っている展開のオプション。しっかり守るだけ」と与えられた任務を理解する。

 開幕戦の教訓から、守りを厚くする。鳥栖戦の後半、無尽蔵に走り込んでくる相手をつかまえられなかった。スタミナ切れをおこし、同点に追いつかれた。相手の速い展開を止められず、クリアボールを拾うこともままならず。状況を改善するために本田が投入されたのは後半41分。「監督の考えることだから」と言い訳にはしないが、状況を変えるには時間がなさ過ぎた。

 同じ過ちは繰り返さない。前節、セレーゾ監督は「途中から入っても、どうしようもない内容だった」と選手交代をギリギリまで引っ張ったが、今節は紅白戦の時点で3ボランチの新布陣を準備。攻撃のうるささでは引けをとらない仙台に、激しいチャージが武器の本田をぶつける構えだ。

 日本代表MF本田はゴールを“ケチャップ”と例えたが、こちらの本田は仙台のケチャップ封じを誓う。「鳥栖と同じようにやられたら進歩がない。やるべきことをやるだけ」。3年ぶりのホーム開幕戦勝利に体を張る。【湯浅知彦】

 ◆本田拓也(ほんだ・たくや)1985年(昭60)4月17日、神奈川県生まれ。桐光学園高ー法大から08年清水入団。同年北京五輪出場。10年9月、ザッケローニ監督初陣のアルゼンチン戦で日本代表初招集。同オフに鹿島へ移籍。177センチ、73キロ。血液型O。