<J2:札幌1-2松本>◇第4節◇20日◇札幌ド

 1分で痛恨の逆転負け-。札幌は松本に敗れ、3連敗を喫した。後半17分に初先発のMF岡本賢明(24)のゴールで先制したが、同26、27分と立て続けに失点。財前恵一監督(44)は岡本、FW前田俊介(26)ら先発を3人入れ替え、MF上里一将(27)を今季初めて右MFで起用するなどテコ入れし、3戦ぶりの得点を挙げたが、ゲーム運びで若さが出た結果となった。

 札幌が、あっさりと勝ち点3を取りこぼした。試合終了後には、開幕4戦目にして早くもサポーターからブーイングがわき起こった。「1点を取ったまでは良かったが。その後、失点して浮足だったところを連続してやられてしまった」と財前監督。3連敗で21位に転落し、今季昇格したばかりの長崎にも順位で抜かれてしまった。

 DF陣に甘さが出た。「もう少し点を取った後のゲーム運びがうまくできていれば、勝ち点3は取れていたのだが」と指揮官。1-0の後半26分、左サイドを崩され、クロスを松本FW船山に頭でねじ込まれた。まだ勝ち点1が残っていたが、同27分、今度は中央から崩され、右に展開されてMF楠瀬に決められた。

 「点を取られた後にずるずるいってしまった。悔しい。しっかり声掛けしていれば」とDF櫛引。DF奈良は「マークの受け渡しがはっきりしてなかった。連係不足」と反省した。クロスを上げられた際の右サイドバック趙のカバーなど、4バック全体の意思疎通が乱れたところをつかれた。

 前日19日の練習後、DF陣の高さを増すためにパウロンの初先発を検討も、当日になって右膝痛を訴え、急きょ欠場。助っ人負傷、守備陣の若さと、前節まで1失点と健闘していたDF陣に不安要素が残った。

 収穫は、新たな攻撃陣で得点を生み出したこと。この日はFW前田、MF岡本、深井の3選手を新たに先発に加え、抜てきされた岡本がゴールを決めた。名塚コーチは「うちで固定できるのは河合ぐらい。あとは調子が悪ければレギュラーでもどんどん入れ替える、と監督と話している」と言う。シーズン通して競争をあおる財前イズムが奏功し、攻撃面では化学変化が起きた。

 あとは勝ち点3。奈良は「もったいない。情けない。後ろがこれじゃゲームが締まらない」と自分にダメ出しした。つらい経験を、次の勝利への糧にしていく。【永野高輔】