清水のFWバレー(31)が26日、公式戦3戦連続ゴールを誓った。第5節鳥栖戦でJ復帰後初得点を決めると、調子は急上昇。生みの苦しみから解放されたストライカーは、その後も公式戦4戦3発と完全に覚醒した。最終調整を終えたバレーは「この結果は最初から予想できていた。結果を出せば周囲に認めてもらえるし、今そういう時期にきている」。その手応えは、確信に変わりつつある。

 強気の言葉には裏付けがある。3月に入って家族が来日。外食中心だった食事が、妻・タリタさんの手料理に変わった。清水加入後、14%あった体脂肪率は11%まで減少。昨年まで所属したアル・アラビSC(カタール1部)で、約5カ月間実戦から離れたことで失っていた体のキレが戻った。

 アフシン・ゴトビ監督(49)も「どんな相手でも危険なプレーができようになっている。日々、継続して良くなっている」と、太鼓判を押した。その言葉を象徴するように、鳥栖戦のゴールは鋭い反転から。23日の大宮戦でもドリブルで約40メートルを独走してネットを揺らした。過去、J通算231試合115得点をたたき出した当時の姿をほうふつとさせるものだった。

 エースの覚醒を待っていたかのように、チームは3月の公式戦6戦勝ちなしから一変。4月は、同5戦無敗(3勝2分け)と快進撃が続く。それでもバレーは「目標を達成したわけではない。今の結果で、やっとスタートラインに立っただけ。もっとやれる。勝ち点3を取って静岡に帰る」と言い切った。ゴールへの期待は高まるばかりだ。【前田和哉】