清水のDF吉田豊(23)のボルテージが、古巣甲府戦を前に一気に高まってきた。定位置の右サイドバックで先発が濃厚。9日は、完全非公開で約1時間半の調整に励むと「結果も残せるようになってきて、個人的には心身ともに良い感じです。とにかく結果を残せるようにしたい」と充実した表情で語った。

 吉田はプロ入りした08年から4年間、甲府に在籍した。今回の会場となる中銀スタ(当時は小瀬)は、同年J2福岡戦で初出場を果たすなどプロとしてスタートを切ったスタジアム。そんな思い出深い場所で、清水移籍後初となる公式戦を迎える。吉田は「自分にとっては原点だし、思い入れのある場所。成長した姿を見せたいと思う。プレーするのが楽しみです」と“凱旋(がいせん)”を心待ちにする。

 さらに、静岡と山梨の両県をまたぐ富士山が、世界遺産登録確実となってから迎える初の「富士山ダービー」。前回対戦のナビスコ杯では1-1の引き分けに終わっているだけに、吉田は「テンションが上がる。決着をつけるにはいいタイミング。勝つだけです」と、不敵に笑った。

 ゴールデンウイークのホーム2連戦でまさかの連敗を喫したチームとしても、1試合でも早い勝利がほしい状況だ。前節川崎F戦でプロ初得点を記録した吉田が、好調を持続したままピッチに向かう。【前田和哉】