敵地のピッチを味方につける!?

 アウェーで湘南と対戦する東京は10日、小平市内での前日練習では、11対11のゲーム形式が行われ、長短織り交ぜたパス交換を披露した。MF石川直宏(31)は「平塚(BMWス)の芝生はいい。短いので、自分たちにとってプラスになると思う」。そう明かすように、一貫してやり続けているチームスタイルを、さらに発揮できる地盤がアウェーの地にあった。

 BMWス関係者によると、東京-湘南戦ではピッチの刈り高を15ミリに刈り取るという。冬場は20ミリ前後の長さで調整しているが、夏芝に生え替わる夏にかけて刈り高は短くなっていた。東京のホーム味スタは大規模スタジアムとあって、埼玉スや日産スと同じように20ミリ以上が一般的。短く刈りそろえられた芝生はボールの転がりが速くなり、引っかかることも少なくなる。

 第10節を終えて東京のショートパス数は2853本に上り、J1で2位の多さ。最近5戦負けなしのチームは1試合平均300本近いパスを、より正確で効果的に回すことができそうだ。7点で得点ランク2位タイのFW渡辺千真(26)も「自分たちのサッカーをやっていけば結果はついてくる」。自信を持って、敵地に乗り込む。【栗田成芳】