<J1:名古屋2-1清水>◇第14節◇6日◇豊田ス

 リーグが再開し、最初の名古屋戦で反撃への勢いをつけたい清水だったが、いきなり劣勢に立たされた。前半9分、中央を突破されると、後方から走り込んだ相手をマークできずに簡単に先制点を許した。アウェーで先手を取られ、暗雲が垂れこめたかに見えた。しかし、会場の雰囲気とは対照的にアフシン・ゴトビ監督(49)は冷静だった。

 失点直後に4-1-4-1から4-4-1-1にシステムを変更。名古屋に攻撃の起点を作られていた中盤を厚くし、完全に握られていた主導権を徐々に取り戻した。

 まずは、同13分。MF河井陽介(23)のCKからMF村松大輔(23)が頭で押し込み同点とした。その後もテンポの良いパス交換から、同34分にFW伊藤翔(24)。同40分にはFWバレー(31)が強烈なミドルを放つなど、勝ち越し点のにおいを漂わせながら前半を折り返した。

 しかし、後半は名古屋の猛攻を受け続けた。同14分、19分と立て続けに決定的な場面を作られた。DF平岡康裕(27)とDFカルフィン・ヨンアピン(26)のセンターバックコンビを中心に何とか耐えたが、終了間際の同44分に勝ち越し点を決められて力尽きた。

 流れをつかみかけた前半からは一変。後半のシュートは0本と、約1カ月間の中断期間中に取り組んできたはずの攻撃面には、進化がまったく見られなかった。中3日で迎えるアウェー鹿島戦に向けて課題を残す内容となった。【前田和哉】