<J2:山形0-3千葉>◇第24節◇14日◇NDスタ

 山形は千葉に今季ワーストの3点差で完敗し、泥沼の3連敗となった。前半23分にFKのクイックリスタートから失点。後半24分にもCKから2点目を決められた。前節からの修正がまったく見えない内容で、10戦ぶりの完封負け。山形県民応援デーで集まった1万20人のサポーターから大ブーイングが浴びせられた。

 「奥野!

 奥野!

 辞めろ!」。サポーターの罵声が響いた。終始ペースを握りながら、前節長崎戦と同じセットプレーから2失点。これで先制された試合は相手が9人だった水戸戦をのぞけば1分け7敗で、追いつくための策もなかった。奥野僚右監督(44)は「課題を修正できず、攻撃でも危険を冒していない」と唇をかんだ。

 CKで2失点した開幕戦から何も変わっていなかった。この日の1失点目は相手の素早いリスタートに対して誰もボールに寄せることはなく、ゴール前で待つ千葉DF山口は完全にフリーだった。監督は「ベンチも控え選手も叫んでいたが、ピッチの中で誰も気づかなかった」。2失点目はCK。マンツーマンで相手をマークしているはずが、毎試合のように簡単にシュートを打たせて失点を繰り返している。直前に選手交代を行ったことで混乱はあったにしても「これだけ同じ経験をしているのに生かせない。違った形で探していかないといけない」。指揮官が前節からGK清水を起用するなど選手を代えても、進歩は見られなかった。

 6月負けなしから一転、後半戦は3連敗。10勝3分け11敗とついに黒星が先行した。目標のJ1復帰は遠のき、取り返しのつかないところまで来てしまった。【鹿野雄太】