<天皇杯:磐田0-1札幌>◇13日◇3回戦◇ヤマハ

 7年ぶりJ1撃破!

 J2札幌がJ1磐田を下し、06年以来の16強を決めた。0-0の後半22分に新人MF神田夢実(19)がプロ初得点を決め、DF陣も体を張って完封勝利につなげた。磐田の本拠地ヤマハスタジアムでは、公式戦7戦目で初勝利。4回戦は11月20日に行われるが、相手は3回戦全試合が終了する16日以降に抽選で決まる。

 19歳が鬼門ヤマハをこじ開けた。後半22分、左サイドでFW前田のパスを受けた神田は、ドリブルで切り込み左足を振り抜いた。「前田君がクロスを入れるふりをしたので、DFが奥にスライドした。動かず、そこにいれば自然とフリーになる」。クレバーな判断で相手マークを外すと、左サイドの角度のないところから強烈なプロ1号を蹴りこんだ。

 リーグ開幕戦勝利に貢献した3月3日千葉戦以来のヒーローインタビューに「すごく気持ちよかった」と笑顔を見せた。新人では異例の開幕先発デビューを果たすも、3戦目の神戸戦後、出番は激減した。「強い当たりに耐えられなかった」。その後は古辺コーチから7種類の体幹強化メニューを課され、練習後に黙々とこなし、7カ月でJ1にも負けない体を築いた。

 同サイドの元日本代表DF駒野封じにも貢献し、財前監督は「後半は守備も修正していた。これからも練習から良さを出してくれればリーグ戦でも可能性はある」と抜てきを示唆。プレーオフへ向け、若い力が育ってきた。【永野高輔】