<J1:鹿島4-1川崎F>◇第30節◇27日◇カシマ

 攻守に奮闘した鹿島FW大迫勇也(23)が、勝利を引き寄せた。前半44分。「タイミングが独特で、相手も読みにくい」(大迫)というMFジュニーニョの左クロスに飛び込んだ。左足で合わせたボレーがゴールネットを揺らすと、立役者を抱え上げ喜び合った。

 守備でも魅せた。前節で浦和に敗れた後、「取られたら前からプレッシャーをガンガンかけていこう」と提案。攻守の切り替えを課題に掲げ、前線から“第1のDF”として圧力をかけ続けた。後ろから相手ボールを奪取し、自分がボールを失えば自陣ゴール前まで追いかけ、ピンチの芽を次々と摘み取った。

 強化担当の鈴木満常務は「献身性は素晴らしい。短期間でここまで成長するのかと思うぐらい、ものすごいスピードで成長している」と絶賛した。首位横浜との勝ち点差は6。「上を気にしても仕方がない。目の前の試合に勝つことだけに集中したい」と大迫。4位に浮上した“逆転の鹿島”のエースが、リーグ戦終盤の主役に名乗りを上げた。【桑原亮】