<J2:札幌1-0千葉>◇第39節◇3日◇札幌ド

 エース弾で望みつないだ!

 札幌は千葉を下し、2戦ぶりの勝利を挙げた。0-0の後半36分に、チーム得点王のFW内村圭宏(29)が決勝点を奪い、逃げ切った。勝ち点を57に伸ばし、プレーオフ圏の6位徳島との勝ち点差を3に縮めた。

 大好きな相手から、しっかり1点をもぎとった。後半36分、相手バックパスを追い込み、GKが蹴る寸前にスライディングしてカット。「ドームは意外と転がらないから、狙っていた」と、無人のゴールに流し込んだ。これで千葉戦は3連発3連勝。難敵からの貴重な決勝弾に、財前監督も「最後まであきらめないプレーが点につながった」と喜んだ。

 どうしても点がほしかった。後半8分に累積4度目の警告を受け、次節神戸戦の出場停止が決まった。「もったいないことをしてしまった」。4月14日の徳島戦で3度目の警告を受けてから前節京都戦まで23試合、約半年、警告ゼロでプレーしていただけに、痛恨のファウルだった。千葉戦で勝てば、神戸戦の次の岐阜戦までプレーオフの可能性が残る。エースの自覚と責任をかけた1発だった。

 今季は主将の河合が負傷離脱した間、副主将としてキャプテンマークを巻く機会が増えた。「試合前に審判とあいさつもするし、ラフプレーをしちゃいけないような気がして。無駄なことはしないようになった」。その河合が負傷した4月の徳島戦を最後に、警告ゼロで通してきたが、抑えてきた熱くて、やんちゃな素の部分が出てしまった。

 「かっこ悪い点だけど、またチャンス出てきたでしょ。最後まで可能性残してやりたいから。面白くなったよね」。自身最多の18得点までも残り3点に迫った。MVP賞として2000万ベトナムドン(約10万円)も獲得。札幌のエースが、逆境をエサに、最終戦までゴールを量産していく。【永野高輔】