<J1:仙台3-3浦和>◇第31節◇10日◇宮城ス

 2位浦和は、アウェーで仙台と痛恨の引き分けに終わった。横浜が敗れ、首位に立つチャンスだったが後半ロスタイムに追い付かれ痛すぎるドロー。2位をキープしたものの、10年4月以来、3年7カ月ぶりの首位奪取はならなかった。残り3試合は川崎F、鳥栖、C大阪と難敵が待ち受けるが、逆転優勝には3連勝するしかない。

 終了の笛がなった瞬間、浦和FW興梠はピッチにひざをつき、DF森脇は倒れて大の字になった。手が届いたはずの、3年7カ月ぶりの首位は、寸前で逃げて行った。

 今季後半戦だけで、首位に立つチャンスは7回あった。うち2回は上位チームが勝ったため、差が縮まらなかったが、残り5回は勝ち点を上積みできなかった上位チームにお付き合いしたもの。この日も首位横浜が敗れ、首位に立つ絶好機をみすみす逃す勝負弱さを露呈した。

 前半2分、後半2分、同ロスタイム。3失点すべてが魔の時間帯。森脇は「運だけでは片付けられない。何かが足りない」と言う。昨季、古巣広島で優勝を味わった。その違いを「劣っているとは思わない。我慢強さ、粘り強さを身につけないと。苦しいところで踏ん張りきれないと結果はついて来ない」と言った。

 3失点目は相手FKが発端だった。サイドでFW武藤をフリーにした。クロスは跳ね返したが、セカンドボールを拾われ、シュートはDF陣の間を抜けた。MF柏木は「相手に与えたチャンスは得点シーンくらい。安い失点。いらついているから、ネガティブな言葉しか出てこない」と試合直後の取材エリアでは吐き捨てるように言った。

 勝ち点1を上積みし、首位横浜と1差。DF槙野は「シーズン後に『あの1点が大きかった』と言えるようにしたい」と言ったが手痛いドローは確か。ただ、残り3試合、大詰めの優勝争いに浦和がいることに変わりはない。【高橋悟史】