<J1:浦和1-3川崎F>◇第32節◇23日◇埼玉ス

 優勝がはるか彼方に遠ざかる痛恨の1敗だ。2位浦和は川崎Fに1-3で敗れ、勝った首位横浜との勝ち点差は4に開いた。1点を追う後半12分にDF槙野智章(26)のゴールで追い付くが、2分後にオウンゴールで失点し、終了間際に3点目を奪われた。残り2試合での逆転優勝は、極めて難しくなった。

 終了の笛が鳴った瞬間、MF柏木はピッチに大の字になった。前線で体を張ったFW興梠はうつむき、MF原口は主審に抗議したがむなしさだけが残った。沈みゆく太陽とともに、7年ぶりのリーグ制覇のともしびは小さくなった。

 後半12分に槙野のゴールで追い付き、逆転へのムードは高まった。だが2分後にオウンゴールで引き離されると、チャンスを生かし切れず後半ロスタイムに川崎FのFW大久保にダメを押された。内容よりも求められた勝ち点3を奪えなかった。ここ一番での勝負弱さという、今季を象徴するような敗戦だった。

 1-1に追い付いた直後、戦い方の足並みがそろわなかった。FW興梠は「オウンゴールはみんなが必死でやった結果だから仕方ない。同点に追い付いたところで一から修正しても良かった」と試合を落ち着かせても良かった点を指摘。一方で、柏木は「2点目を取りに行ったけど、セカンドボールを拾えなかった」と言い、槙野は「ゼロに抑える試合はしていない。失点しても2点、3点とはね返す力がある」と、攻めの姿勢を貫いていた。

 同点に追い付いた勢いに乗じて攻めるのか、ペースダウンするのか、バランスが崩れたところで右サイドを突破され、勝ち越された。ペトロビッチ監督(56)は2失点目を「集中力の問題だと思う」とシンプルにまとめ「すべての質問に正直に答えないのも監督の仕事。うまく言葉を包まないといけない」と原因は分かっていながらも口にせず、思わせぶりな言葉で胸にしまい込んだ。

 残り2試合で勝ち点差は4。優勝の可能性は残る一方で、興梠と柏木は試合直後の悔しさもあり「少しの(優勝の)可能性にかけたい。ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)には絶対に行きたい」と口をそろえた。残り2試合で求められるのは内容よりも連勝。攻め切れず、守り切れず、勝てずという試合を繰り返しては、優勝どころかACL出場圏内の3位も危うくなる。【高橋悟史】