<J1:大宮3-0磐田>◇第33節◇30日◇NACK

 磐田は8連敗中の大宮に完敗し、クラブワーストの5連敗を喫した。試合前には、選手間で「失うものはない。前向きな自発的なサッカーをやろう」と臨んだ一戦だった。序盤から、高い位置でワンツーなどの細かいパスをつなぎ、終始受け身に回った前節横浜戦とは見違える攻撃的なサッカーを展開。しかし、相手を上回る17本のシュートを放つも最後までゴールが割れなかった。

 逆に前半36分、左サイドを崩されて先制点を失点し、後半も、最終ラインが裏を取られて2失点。試合内容は良くても勝てない。今季序盤を象徴するゲームとなった。

 この日、ボランチでリーグ16試合ぶりに先発したMF田中裕人(23)は「3失点は恥ずかしい完敗。相手はロングボールの競り合いに強くて、後ろにいくボールを拾われてしまった。後半も修正できなかった」と悔やんだ。

 攻撃陣は4戦連続で無得点に終わった。3本のシュートを打ったMF山田大記(24)は「いつもより、積極的にゲームはコントロールできた。ゴール前の精度は難しいチャレンジだけど、シュートが決まらず1点も取れなかったことが問題。失点のタイミングも悪かった」と振り返った。

 最終節はホームでの大分戦だ。田中は「このチームでできる最後の試合。最後ぐらい勝って終わりたい」。現在、磐田はリーグではわずか3勝で、10年の湘南が持つリーグ年間最低勝利数タイになっている。同じく降格が決まっている大分を相手に、4勝目をもぎ取って、来季につなげるしかない。【岩田千代巳】