宮城ゆかりの新戦力が、タイトル奪取を誓った。仙台の新入団選手会見が19日、仙台市内で行われた。G大阪から完全移籍で加入したMF武井択也(27)は、幼い時期を仙台市に隣接する富谷町で過ごしていたことを明かし、プロ7年目の今季、サッカーと出会った地での飛躍を約束した。

 新たなスタートを告げる区切りの日に、武井が公表されていなかった生い立ちを明らかにした。栃木市で生まれたが「幼稚園の年長から小4の途中まで富谷に住んでいたので、仙台には思い入れがある」。サッカーを始めたのは富ケ岡小1年の時。第2の故郷に戻ってきた27歳は「ベガルタの力になれるよう、どんどんアピールして勝利に貢献したい」と強い決意を口にした。

 G大阪で元日本代表MF明神の後継者と目されていたボランチが、完全復活へ新天地を選んだ。11年にはリーグ戦33試合に出場。主力として優勝争いに加わり、日本代表MF遠藤ともコンビを組むなど当時の西野監督(現名古屋)から高い評価を受けていた。J2の昨季は出場わずか7試合。苦しんでいたときに「一番最初に声をかけていただいた」と仙台に感謝する。

 献身的なプレーに加え、複数ポジションをこなす器用さも備えている。会見でアピールポイントを問われると「攻守にわたってアグレッシブに動き回ること」と即答。豊富な運動量も大きな武器で、足元の技術も高い。練習で行われている2タッチ以上禁止のボール回しでも、視野の広さとテクニックを披露している。

 流通経大から08年に加入したG大阪でACL、天皇杯制覇を経験した男が見据えるのは頂点だけだ。「1つでも多く、このチームでタイトルを取りたい」。まずは角田、富田という不動のダブルボランチとの激しいポジション争いに挑む。【鹿野雄太】