J2札幌のブラジル人DFパウロン(24)が沖縄合宿6日目の25日、金武町陸上競技場で今季初めて行った11対11のゲーム形式で、状態の良さをアピールした。昨季は守備の要と期待されるも、合宿中のケガで開幕戦はベンチ外。シーズン中も負傷などでベストパフォーマンスに遠く、出場7試合に終わった。昨季の反省を生かし、オフに課題の持久力を強化。雪辱の2年目は、万全の下準備で、DF陣を支える。

 離脱を繰り返した昨季の汚名を返上する。この日は新加入のDF薗田とセンターバックを組んでプレー。速さ、強さともに相手チームを圧倒し、財前監督にアピールした。「調子がいい。ここからもっと上げていく」とパウロン。指揮官も「能力は高いし、このままいけば、かなり活躍してくれるはず。走りの面でも意識が違う」と期待した。

 22日のペース走では、最後までグループの先頭を走りきった。昨季の熊本合宿では途中でバテて最下位。シーズン中もスタミナ不足による終盤のポジショニングミスが課題だったが、オフの自主トレで克服してきた。初めてコンビを組んだ薗田は「この時期にここまで状態を上げているブラジル人選手は見たことがない。速さも強さもある。怪物」と絶賛。進化した助っ人が、J1昇格のキーマンになる。【永野高輔】

 ◆昨季のパウロン

 熊本合宿最初の実戦だった2月14日のレノファ山口戦で左太ももを負傷し離脱。合宿では状態が上がらず、3月3日の開幕千葉戦から5試合連続でベンチ外となった。3月31日のG大阪戦でデビューも、5試合目の4月21日長崎戦の前半終了後、左膝痛を訴え交代。7月3日の徳島戦で復帰も2度の警告を受け退場し、同5日には再び左膝痛を訴え離脱。再度復帰した10月6日の群馬戦で後半途中に右手甲を骨折。7試合出場にとどまった。