J2山形は14日、熊本県民総合運動公園サッカー場で45分2本の練習試合を行い、2-2で熊本と引き分け、第2次キャンプを打ち上げた。1本目は0-2とリードされたが、2本目出場のMF汰木(ゆるき)康也(18)、FW万代宏樹(27)がゴールを決めて黒星を回避。今季キャンプ通算2勝1分けで、総仕上げになる第3次キャンプ(17日~3月1日、宮崎市)に弾みをつけた。

 山形が前日13日の札幌戦に続くJ2対決で引き分けた。1点差に詰め寄った2本目32分、相手ゴール前の混戦から1トップの万代が同点弾を決めた。12日の福岡大戦の先制ゴールに続き、今季練習試合2点目の万代は「(ボールを)横にずらして相手の股を狙った。形はきれいでなかったですが」とFWの仕事を果たした。

 故障者を除く現時点で使えるフィールド・プレーヤー21人を総動員した。1、2本目ともに4-2-3-1の攻撃的布陣。だが1本目10分にオウンゴールで相手に先制を許し、チームシュート数もFW中島裕希(29)の1本にとどまった。嫌なムードが漂ったが、がらりとメンバーを入れ替えた2本目も「攻守の切り替えを早くし、高い位置でプレッシャーをかけてボールを支配する」というチーム戦術は変わらなかった。

 2本目10分、まだ高校在籍中のルーキー汰木(ゆるき)康也(18)が、相手GKがはじいたこぼれ球を冷静に処理。福岡大戦のループシュートに続く2ゴール目を挙げてチームを勢いづかせた。その流れの中で、プロ11年目の万代も「負けじ」と続いた。

 昨季までの2トップではどちらか一方の動きだしで相手DFを崩した。だが、今年はキープ力のあるブラジル人MFディエゴ(29)が新加入。少ないタッチ数でボールを回すサポート的な動きも要求される。万代はリーグ開幕に向け、この日1本目の1トップ川西翔太(25)としのぎを削るが「お互いにいいプレーをしてチームのレベルを上げたい。でもサブでいいとは思っていない」ときっぱり。C大阪と練習試合の19日は28歳の誕生日。万代は「FWは結果で勝負。どんな試合でも得点したい」と闘志を見せた。【佐々木雄高】