J2札幌は15日、ベストアメニティスタジアムで昨季J1・12位の鳥栖と練習試合を行い、主力組が出場した2試合目は、前半にDFパウロン(24)のヘッド、後半にFW前田俊介(27)がゴールを挙げ2-2と引き分けた。13日の山形戦は積極性に欠け完封負けしたが、今回はセットプレーと流れから各1点と、攻撃の形が徐々に見えてきた。

 J1相手に、ひるむことはなかった。札幌は前半3分に、MF砂川の左CKをファーサイドに飛び込んだDFパウロンが頭で押し込み1点目。後半35分には、MF荒野が前線でボールを奪いドリブル突破。DFと競り合い、こぼれたボールをFW前田が右足で流し込み2点目を決めた。

 財前恵一監督(45)は「メンバーがそろわず、ボールがうまく回せない中、3、4本目は粘り強かった」と振り返った。開幕ボランチ候補の河合、宮沢が負傷離脱中。主力不在の中、新人のMF上原拓が代役をこなし、J1と2-2のドローに持ち込んだ。上原拓は「主力に入ってJ1相手に試合ができ、収穫は大きい。球際だったりボールの持ち方だったり課題がみつかったのでそこをクリアしたい」と前を向いた。

 3-0だった9日の熊本戦は、1点目の前田の得点こそ、サイドを崩してのものだったが、2点目は内村の個人技、3点目は相手守備陣のミスからだった。13日の山形戦は、ほとんど決定機をつくれないまま0-2で完敗した。指揮官は鳥栖戦前日の14日の練習後「山形戦は攻撃も守備も何もできず、相手のプレッシャーを受けるとバックパスが多かった」と課題を指摘。今回はJ1相手に前への推進力を試した一戦だっただけに、セットプレーと流れからフィニッシュに持っていく形が見えたのは収穫になる。

 課題もある。攻撃面は進歩も、FW豊田らJ1を代表するストライカーに得点を許すなどDF陣が計2失点。山形戦から計6失点を与えている。財前監督は「奪ったボールを簡単に失うと開幕戦も同じようにやられる。残り2週間で意識してトレーニングしていく」と言った。浮き出た課題を修正し、3月2日の磐田討ちにつなげる。