<ACL:貴州人和0-1川崎F>◇1次リーグH組◇15日◇貴陽オリンピック体育センター

 川崎FはMF中村憲剛(33)のゴールで貴州(中国)に辛勝。ラフプレーが連発する大乱戦を制し、アウェーでは今大会日本勢初勝利を飾った。

 川崎Fは中国での“大乱闘”を制した。前半38分にMF中村が先制弾。DF田中のロングスローを、MF森谷が相手とぶつかり転倒しながら、執念でゴール前に落とした。これを中村が左足で冷静に決めた。

 両軍合わせて11枚のカード(川崎F3枚、貴州8枚)が飛び交う、荒れた試合となった。17分、FW大久保がDF孫継海に背後から危険なスライディングを受けて激高。孫を両手で突き飛ばし、双方にイエローカード。後半35分にはDF武岡に挑発的な態度を取った孫が2枚目の警告で退場となり、ロスタイムにはDF井川と額をぶつけ合ってもめたMFミシモビッチも2度目の警告で退場。もはや試合ではなくケンカだった。

 感情をむき出しにして迫ってくる相手にも、集中力を切らさず完封で逃げ切った。大久保は前半44分にミシモビッチから危険なファウルを受けたが、痛みをこらえ無言で立ち上がった。勝利だけを目指す姿勢でチームを引っ張った。

 H組2位に浮上し、次戦のホーム蔚山(韓国)戦で引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる。FW小林らケガ人続出の中、井川も累積で次戦出場停止となったが、一丸で勝ちにいく。