リーグ通算250試合目を勝利で飾る!

 J2札幌は16日、札幌・宮の沢で練習を行った。20日の群馬戦(札幌ドーム)出場でJ通算250試合に到達するMF河合竜二(35)が、記念すべき日の勝ち星へ闘志をみなぎらせた。リーグ初出場が入団から4年目、初得点が9年目の苦労人が、18年目に訪れた節目でホーム3連勝に導く。

 視野が開けば思い切りよく前に出て、攻撃に参加する。相手が近づけば足を思い切り伸ばし、ボールを奪い取る。練習でも試合でも変わらない。本気の河合が、この日の練習でもピッチの中央に君臨した。「18年で250試合。若い時に出られなかったから、1試合にかける思いは強くもってやっている」。闘将が静かに言った。

 97年に埼玉・西武台高から浦和に入団した。当時の浦和は日本代表のMF福田正博やFW岡野雅之、ドイツ代表のDFブッフバルトらがスタメンに名を連ねていた。リーグ戦の初出場は入団から4季目、J2大宮戦と遅かった。しかし2年後のオフには戦力外となり、J2やJFLのトライアウトを受けたがすべて不合格。J1横浜の誘いがなければ、中国リーグへ行く可能性もあったという。

 8年所属した横浜でも順風満帆ではなかった。3年目でようやくスタメンに定着したが、横浜最終年となった10年は再び構想外となり、オフには戦力外通告。札幌に移籍して4年目、通算18年目の前節大分戦で、ようやく249試合に到達した。「若い時の苦労がなかったら、ここまで長くは続けられなかったと思う」と振り返る。

 次節相手の群馬は17位だが、7位札幌との勝ち点差はわずか2。昨年は相手守備を崩せず2戦2敗しただけに、油断はできない。「1つ1つのプレーの質を上げて、次の試合に向かって切り替えていくことが必要」と、チーム全体を叱咤(しった)する。

 長く苦しい歴史をピッチに刻み続け、ようやく到達するからこそ、節目の試合は負けられない。「体の状態はいい。試合に向けてコンディションを上げていきたい。試合にかける思いを出せればいいと思う」。勝利に対する誰よりも強い気迫で、群馬を倒す。【中島洋尚】

 ◆札幌所属選手の250試合出場

 現役では2人で、13日の前節大分戦まで463試合のMF砂川、271試合のFW内村が到達している。砂川は96年柏入団から12年、内村は03年大分入団から11年で達成。河合の18年は最も遅い。過去の所属選手ではFW中山雅史がJ1とJ2のリーグ戦通算で367試合に出場。250試合は10年目に到達している。