<J1:C大阪1-1大宮>◇第10節◇29日◇ヤンマー

 C大阪が試合終了間際の土壇場のゴールで大宮と引き分けた。後半49分、日本代表MF山口蛍(23)からのロングパスに途中出場のFW杉本健勇(21)が左足で同点ゴール。執念で勝ち点1をつかんだ。

 敗色濃厚だった試合を振り出しに戻したのは、途中出場の21歳だった。ロスタイム4分表示のラストプレー。自陣の最終ラインからMF山口が出したロングパスにFW杉本が抜け出し、左足で今季2点目となるゴール。土壇場で勝ち点1をチームに運んだ。

 「0-1だったし、何とかまずは1点と思っていた。山くん(DF山下)も上がってきていたし、最後はパワープレーだったので前に行った」

 後半28分、DF藤本に代わって出場。3バックから4バックへと変わり、杉本は2列目の右サイドに入ったが、自身の判断でFWの位置に回っていた。試合前日には、筋肉をほぐすローラーを必ず宿舎に持ち込み、入念に出番に備える姿勢が、この日のゴールにもつながった。日本代表FW柿谷が開幕からリーグ10試合連続ノーゴールとなる中、同じ下部組織出身の弟分が奮起した。

 C大阪がこの日放ったシュート数は、大宮の倍の14本。ポポビッチ監督は「これがサッカー。相手にはほとんどチャンスを作らせなかったが、負ける可能性すらあった。勝ち点1を取ったことに満足はできないが、最後までゴールを目指してゴールを奪ったことは評価したい」と話した。

 ドローながら、試合後はサポーターから容赦ないブーイングを浴びた。リーグ戦6試合勝ちなしで、4月は公式戦1勝4分け3敗。ACLでは16強入りを決めたが、リーグ戦では首位鹿島と早くも勝ち点8差をつけられ11位。これ以上離されるわけにはいかない。【福岡吉央】