<J2:長崎0-1札幌>◇第21節◇5日◇長崎県立

 3連勝ターン!

 J2札幌は長崎に勝ち、今季初の3連勝で前半戦を終えた。前半14分にMF砂川誠(36)が決めた先制ゴールを、チーム一丸で守り抜いた。アウェーでは3月2日の開幕磐田戦以来9試合ぶりの勝ち点3。完封勝利は5月25日の水戸戦以来6試合ぶりとなった。勝ち点を30に伸ばし、9位に浮上。次節20日の大分戦からは、新加入の元日本代表MF小野伸二(34)の出場が可能となる。

 大事な節目の試合を、攻守一体のサッカーで乗り切った。前半14分だ。札幌は若手21歳のMF荒野が奪ったボールを中堅25歳の宮沢が中央から左へ展開し、最後は最年長36歳砂川が、冷静にGKの位置を見定めて、流し込んだ。「(宮沢)裕樹が、いいパスを出してくれた」。シュート6本と決定機は少なかったが、開幕戦以降8試合お預けだったアウェーでの勝ち点3を、しっかり手にした。

 前半戦最後を3連勝と、理想的な形で締めくくった。「アウェーでなかなか勝てなかったので、次につながる勝利。選手もしっかり体を張って守ってくれた」と財前監督。後半12分には、主将の河合がゴールの中に入り、体でボールをはじき出すなど、攻守ともに気持ちの入ったプレーで6戦ぶり完封勝利につなげた。

 ドローに終わった5月31日の福岡戦後、スタンドで暴れた観客1人を、クラブ史上最も重い「無期限入場禁止」処分にした。処分が固まった6月上旬、三上GMが練習後に選手を集め「サポーターに、ストレスを与えてしまったのも事実。そのためにやれることは、ピッチで結果を出すこと」と厳しいゲキを飛ばした。

 以降、6月14日横浜FC、21日富山、28日岐阜、そして長崎戦と4戦3勝1分け無敗。選手たちも試合後、何度もミーティングを開き、何が悪いか徹底して話し合った。宮沢は「サポーターにいつも鼓舞してもらっている。何とかこたえようと、みんなで話してきたことが結果に出てきた」と効果を口にした。

 次節20日大分戦からは、MF小野がいよいよ出場可能となる。「小野が入れば、もっとチャンスになると思う動きがあった」と財前監督。好調なチームに最強の“助っ人”を加え、一気に上位浮上を図っていく。【永野高輔】