<天皇杯:山形1-0ソニー仙台>◇3回戦◇20日◇ユアスタ

 J2山形はJFLソニー仙台(宮城代表)を下し、2年連続10度目(山形日本電気、NEC山形時代含む)の16強入りを決めた。前半29分、右CKをFW万代宏樹(28)が頭で決めて先制。チーム一丸の堅守で逃げ切り“東北ダービー”を制した。

 メンバーが変わってもシステムと戦術にブレはない。17日のリーグ札幌戦から中2日。先発フィールドプレーヤー10人全員を入れ替えた山形が、持ち前のアグレッジなサッカーを貫いた。先発平均年齢で約2歳若く、休養十分な相手に前半中盤まで劣勢に立たされたが、我慢強く戦った。

 度重なる相手のセットプレーをしのぎ、少ないチャンスをものにした。前半29分、この日初めてCKを獲得。山形では公式戦初出場のMF日高の右CKを、身長184センチの万代が絶妙のタイミングで頭で合わせた。リーグ戦を含め、21試合ぶりに1トップで先発。07年まで当時J2の仙台に在籍した思い出のピッチで結果を残し、一気にチームを勢いづかせた。

 チームにとっては、石崎監督が前回山形を指揮した旧JFL98~99年シーズン以来、16シーズンぶりのソニー仙台との公式戦対決。4月の練習試合では先制を許して引き分けたが、公式戦負けなしの4連勝でプロの面目を保った。

 4回戦の相手はJ1鳥栖に決まった。チーム記録に並ぶ4年ぶり3度目の8強進出がかかる。JFL相手に受身になることなく攻め続けた山形は、最後まで挑戦者の気持ちを貫き通す。【佐々木雄高】