<J2:山形4-0讃岐>◇第34節◇28日◇NDスタ

 山形がホームで讃岐に快勝し、今季初の同一カード連勝を飾った。前半11分にCKからDF石井秀典(29)が先制点を奪うと、5分後にFW川西翔太(25)の2試合連続ゴールで追加点。40分にはMF宮阪政樹(25)が約60メートルの直接FKを決めてリードを広げた。順位も今季最高7位に浮上、プレーオフ圏内6位まで勝ち点2差に迫った。

 恐怖の右足が、讃岐の息の根を止めた。2-0の前半40分、自陣で川西が倒されて主審の笛が鳴った瞬間、宮阪は相手GKが前に出ていたのを見逃さなかった。約60メートルの距離からインステップで放ったシュートは、GKの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。直接FKは今季4点目で通算11発。小学生時代に決めたキックオフゴールを上回る自身最長距離の一撃に「追い風だったのでライナー気味で狙った。やってやりましたね」と胸を張った。

 勝負を決める3点目で、同期入団した仲間のJデビューもお膳立てした。後半41分、MF日高慶太(24)がサポーターの大歓声に迎えられてピッチに立った。プライベートでも仲の良い2人は短い時間ながら息のあったパス交換を見せ、勝利の瞬間に肩を組んで喜びを分かち合った。宮阪は「やっと一緒にリーグ戦に出られてうれしかった」。日高も「出た瞬間に、いろいろな気持ちがこみ上げてきた」と感慨深げだった。

 1年目で開幕スタメンを勝ち取り、3年目で大黒柱となった。今季チームで唯一、全34試合に先発出場している不動のボランチは「残り8試合で勝ち点24を取るつもりでやる」。プレーオフ進出へ、まずは次節のアウェー岐阜戦で今季初の連勝へ導く。【鹿野雄太】