<J1:名古屋0-0仙台>◇第29節◇22日◇瑞穂陸

 仙台がアウェーで名古屋に引き分け、勝ち点1を拾った。試合開始早々にFWウイルソン(29)の負傷退場で主導権を握られ、何度も決定機を与えながら無失点。シュート数で圧倒されながらも、上位から連勝した粘り強さを見せた。

 3連勝を狙う仙台を、いきなりアクシデントが襲った。前半9分、MF太田のクロスをゴール前で競り合ったFWウイルソンが着地時に負傷。前節の浦和戦で先制ゴールを決めるなど3得点に絡む活躍で「調子が良いし、周りもよく見えて楽しくプレーできている」と完全復活を印象づけたばかりだった。エース助っ人が早々にピッチを去る非常事態。名古屋の波状攻撃を受けた。

 劣勢でも4試合連続の先制点が欲しかった。急きょ投入されたFW柳沢が起点となり、カウンターから好機を演出。MF野沢やFW赤嶺の決定機を呼び込んだ。守備陣も名古屋の徹底したアーリークロス攻撃に苦しみながらもゴールは割らせなかった。

 ウイルソンの穴は予想以上に大きかった。カウンターの速度が落ちて対応され、中盤でのパスもつながらない状態に陥った。相手の再三のシュートミスにも助けられて勝ち点1を拾ったが、敵地では5月10日C大阪戦を最後に7戦勝ちなし。渡辺晋監督(41)は「クロスに対して寄せきれないシーンは前節、前々節では見られなかった。アウェーでの勝ち点1をプラスに捉えたい」と前向きだった。