<J1:横浜0-0C大阪>◇第30節◇26日◇日産ス

 C大阪が横浜と引き分け、J1残留に望みをつないだ。ライバルの仙台、大宮、清水が軒並み敗れる中、敵地で貴重な勝ち点1。順位こそJ2降格圏17位のままだが、J1残留ライン15位との勝ち点差を1に縮めた。

 大熊裕司監督(45)は、残り10分の時点で同点の場合はリスクを冒した攻撃はせず、確実に勝ち点1を狙う作戦を実行した。横浜に主導権を握られる時間帯が続き、シュート数はわずか6本。今季のスローガンは「史上最攻」だが、残留を目指すなりふり構わぬ現実路線を最後まで貫いた。プラン通りの戦い方で勝ち点を30に伸ばした指揮官は「ポジティブな勝ち点1としてとらえたい」と冷静に話した。

 この日はDF染谷悠太(28)が出場停止。FWディエゴ・フォルラン(35)が左内転筋違和感、MF平野甲斐(27)もめまいを訴え、メンバー外だった。控えの選手層が手薄な中、現実路線を選択したことが結果的に4試合ぶり無失点につながった。

 10月18日鳥栖戦で後半ロスタイムに失点して勝ち点1を逃した教訓も生きた。ゲームキャプテンを務めたDF山下は「いいサッカーはできなかったけど、勝ち点1を積み重ねていかないといけないですから」と振り返った。

 次節はホームで勝ち点3差の13位甲府を迎える。その後は同3差の14位仙台戦、そして最終節には同1差の15位大宮との直接対決を残す。MF南野拓実(19)は「この引き分けをつなげていきたい。次は絶対に勝つ」と力強く話した。残り4戦。C大阪の負けられない戦いはまだまだ続く。【福岡吉央】