<J1:徳島0-0G大阪>◇最終節◇6日◇鳴門大塚

 夢にまで見たJ1優勝を、やっと手にした。G大阪DF今野泰幸(31)は静かに興奮していた。「奇跡みたいな優勝。拾ったみたいな。本当に夢みたい。実感していない」と繰り返した。

 優勝を求めてG大阪にやって来た。札幌、東京を経て、12年に移籍。それまで、優勝争いに無縁のプロ生活だった。夢をもってやってきたが当初は新天地になじめず、DF陣は崩壊。失点数ワースト2位と低迷し、自身3度目のJ2降格も味わった。W杯前年、大事な時期にJ2でプレーしなければならない状況。目標とのギャップに、追い詰められたこともあった。

 初めての優勝争いは、少しほろ苦かった。圧倒的優位にありながら、ゴールが遠く「最高の準備をしてきたが、体が鉛のように重かった。これが優勝争いのプレッシャーなのかと」。初めて味わう重圧に戸惑ったという。

 後半中盤には、ピッチに足を取られてボールを奪われ、ミスからカウンター攻撃を受ける場面も。「(後半は)めっちゃ焦っていた。(終盤に)ヤットさんが横パスを出して、あれっ?

 と思った。他会場が、僕らに有利な展開なのか、無理に攻めるなということかと」。落ち着きを取り戻した。

 苦境を乗り越えてつかんだ念願の初優勝をかみしめた。J1昇格年に、頂点に上り詰めた。どん底からはい上がり、目標を達成した今野は「タイトルが、プロとして今後の人生の糧になる」。3冠というさらなる高みに挑む。【鈴木絢子】