山形が26日、千葉・館山キャンプ初日を迎えた。山形から約8時間の移動後にもかかわらず、約1時間半の密度の濃いメニューで汗を流した。今キャンプで石崎信弘監督(56)は、食事面でも「生魚禁止令」を出して体調管理を徹底。ケガなくJ1を戦い抜く体力を身につける。

 4季ぶりにJ1を戦う山形が、キャンプ初日から走った。この日朝6時すぎに山形を出発し、約8時間かけて館山入り。MFボムヨンとDF山田が別メニュー調整ながら合流し、来日手続きが遅れているMFディエゴと卒業試験のGK摂津をのぞく23選手で練習がスタートした。長時間の移動後にもかかわらず、ランニングやボールを使った体力強化メニュー、ミニゲームなど約1時間半の調整。FW山崎は「見てのとおり厳しい練習が続くけど、みんなで元気を出していきたい」と汗をぬぐった。

 今季初めて雪のない屋外で体を動かした選手たちの表情は明るかったが、本番はこれからだ。初日にしては密度の濃いメニューにも、石崎監督は「暖かいし、まだ何もやってないから雰囲気はいいね」とニヤリ。芝生の状態についても「すごく柔らかくて、去年より良いんじゃないかな」。約1カ月におよぶ“地獄キャンプ”の環境は整った。

 体力面や戦術面の強化の前に、離脱者が出ては意味がない。指揮官は「合宿でケガ人を出したくない」と始動日から言い続けている。オフ中に生カキを食べて腹痛を起こした選手がいたこともあり、広島出身の監督は「生魚は厳禁だな。(広島名産の)カキの評判も落ちるしな」と冗談を交えながらも体調管理の徹底を促した。海沿いに位置する館山の新鮮な魚介類は、加熱した料理を食べて疲労回復につなげる。

 今日27日からは毎日、午前と午後の2部練習が予定されている。監督は「練習が厳しいかどうかは本人次第。強くなりたい、うまくなりたいと思えば苦しくても頑張れる」と言った。昨季終盤に見せた快進撃の基盤を作った館山で、石崎山形の2年目が本格的に幕を開ける。【鹿野雄太】