仙台の今季主将が、MF富田晋伍(28)に決まった。鹿児島キャンプ4日目の29日、練習前ミーティングで渡辺監督から発表された。初仕事となった練習締めの2拍手をMF山本に奪われるというまさかのハプニング?

 もあったが、昨季全試合に出場したボランチは「期待を感じる。少しでも引っ張っていけたら」と決意表明した。

 渡辺監督は「一番の負けず嫌いで、チームの歴史と存在意義を理解していて勝負へのこだわりも強い」と主将任命の理由を説明、チーム始動前の今月中旬に打診したという。当初「しゃべるタイプでもないし、自分で良いのか」と不安もあったという富田だが、熟考の結果「クラブに何かしらの恩返しや、1人の大人として成長したいと思った」とキャプテンマークを巻く覚悟を決めた。

 仙台一筋11年目。「ベガルタのスタイルを伝えていけたら」と使命感も生まれている。13選手が抜け、復帰組を含め12人が加わるなど一気に世代交代が進んだ今季。「どれだけ新しい仙台を見せられるかだと思う」とチームワークの強化を掲げ、「みんなで食事に行く機会も増やしたい」とリーダーシップを発揮するつもりだ。

 頼れる2人のサポートも受ける。副将には渡辺監督指名のDF石川直に加え、MF奧埜も自ら指名した。「若手の代表で、今後チームを引っ張っていく存在ですから」と富田。「まだまだ若手に負けるつもりはない」と宣言する28歳の新主将は「今キャンプで、みんなが同じ方向を向けるよう責任を持ってやる」と、先頭に立ってチームを引っ張っていく。【成田光季】

 ◆富田晋伍(とみた・しんご)1986年(昭61)6月20日生まれ、栃木県出身。FC大平からヴェルディSS小山、東京Vユースを経て、05年に当時J2の仙台入団。同年のリーグ開幕戦でスタメン起用され、09年にはボランチの定位置を獲得しJ2優勝とJ1復帰に貢献。昨季はカップ戦も含めた全試合に出場。169センチ、64キロ。血液型A。