仙台のFW金園英学(26)が、エースの座に名乗りを上げた。鹿児島キャンプ6日目の1月31日、ゲーム形式の練習でシュートを決めるなど抜群の動きを披露。今日1日に行われる大学生との今季初実戦を前に、決定力をアピールした。J2磐田から加入したストライカーは、開幕スタメンと新天地でのゴール量産を狙う。

 「開幕戦でゴールを決めたい」。その強い思いが、金園を練習からゴールに向かわせる。FWハモンと2トップを組んだこの日のゲーム形式練習でも1得点。MF村上が放ったボールにゴール前で素早く反応し、ネットを揺らした。「どんな形でも狙っていく。まずは明日、点が取れれば」と加入後初となる実戦を見据えた。

 磐田ではルーキーイヤーの11年に12ゴールをあげ、クラブの新人最多得点記録をマーク。12年には日本代表にも招集された。順風満帆に思えたプロ生活だったが、その後は度重なる負傷などで出場機会が激減。「給料をもらうのも申し訳なく、いまだに使っていない」と当時の悔しさを忘れていない。

 仙台では「自分らしさ」を追求する。昨季は磐田のエースFW前田の交代要員としてベンチを温める日々が続き、出場しても「遼一さんと同じ動きを求められていると思い、自分のプレーができていなかった」と悩んだ。今キャンプでは自信を持つ動きだしや、ゴールへの起点となるパスも出すなど「らしさ」をアピール中。「(周りの)信頼を勝ち取るところからスタートです」と積極的に連係を図っている。

 プロ6年目。「1年目が一番良い(成績)って恥ずかしいですよ。あの時に並ぶというより、超えなきゃいけない」。昨年8月に3度目となる右足中足骨の手術を終え、今は「違和感がなさすぎて逆に不安になる」と言うほど快調だ。リーグ開幕山形戦では、もちろんスタメンを狙う。「東北ダービーが楽しみで、今からドキドキする。そこでゴールを決めて、本当の意味で仙台の一員になりたい」。ベガルタのエースと呼ばれる日まで、金園はゴールを狙い続ける。【成田光季】<金園英学(かなぞの・ひでたか)アラカルト>

 ★経歴

 1988年(昭63)9月1日、大阪府大阪市生まれ。立正大淞南高から関大に進学し、08年から関西学生リーグで2年連続得点王。11年に磐田入団。

 ★プレースタイル

 泥くさいプレーもみせる豪快なストライカー。フィジカル能力も高い。

 ★性格

 本人いわく「期待されると緊張して眠れない小心者」。ユーモアにあふれ、独特な言葉での表現も多い。

 ★家族

 4兄弟の末っ子。両親と姉2人、兄1人。

 ★身長、体重、血液型

 184センチ、75キロ、O型。