“お尻改革”だ!

 J2札幌のバルバリッチ監督(52)が、沖縄合宿期間中の強化ポイントに、臀部(でんぶ)、太もも回りの重点的な筋力アップを掲げている。合宿中は一貫して、下半身の強化メニューを導入。(1)シュート力向上(2)ボディーコンタクト強化(3)ケガ防止と、3つの狙いにつながるパワーアップを図り、過酷なJ2戦線を勝ち抜く「土台」を整備する。

 昨季、途中就任だったバルバリッチ監督が、なかなか着手できなかったのが、チーム全体の筋力アップ。今季はキャンプから指導できるとあり、徹底した肉体改造を図っていく。J1昇格のために指揮官が、最重要ポイントと考えているのが「お尻」だ。

 バルバリッチ監督(以下監督)

 昨年は太もも裏や、その付近のトラブルが多かった。そこの筋力トレーニングをしっかりやって、強くしていきたいと思っている。

 今オフ、昨季のチーム全体の負傷について、就任前の状況にもさかのぼって検証した。4月にFW内村が右太もも裏肉離れで約1カ月戦線離脱。8月にはMF小野が右太もも裏筋膜炎を発症し、その後、左膝痛もあり約3カ月離脱した。主力の長期離脱は戦績を大きく左右するだけに、まずは弱点だった尻や太もも回りを強化して、負傷予防とパワーアップにつなげる。

 監督

 キャンプでしっかり体をつくれれば、シーズンが始まって以降、筋肉系のトラブルは減ってくる。一番、ケガしやすいのは始動直後のこの時期。だから、ここで余計なケガをしないで体をつくれるかが大事になる。(尻や太もも回りの)体ができあがればシュート威力も増し、ボディーコンタクトも強く、激しくなる。

 今キャンプ第1クールでは戦術と並行してバルバ流の腰回り強化策を敢行。これを3週間継続し、1対1の競り合いで、絶対に負けない個をつくり上げる。

 監督

 2部練習を2日続けて、1日1部練習にしてオフ。1回のトレーニングのときは、しっかり負荷をかける。フィジカルはしっかりやらないと。疲れがたまっているときはコントロールする。ここまでは、けが人も少なくプラン通りだ。

 フィジカル強化の知識も豊富な指揮官について、新任の大塚フィジカルコーチも「監督はいろいろな鍛え方を知っている」と言う。昨年の反省を生かし、鍛え上げた鋼のヒップで、札幌がJ1を狙う。【永野高輔】